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Arcadia Entertainment(C)2003-2004

外郎売

 あなたは「外郎売」と言うのを聞いた事がありますか?聞いた事の無い人には何と読むか分からないでしょうね、「外郎売」と書いて「ういろううり」と読みます。さてこの外郎売が芸能界にどう関係するかと言うと、1718年(亨保3年)森田座にて2代目市川団十郎が外郎売の物真似を雄弁に演じた事が始まりで、歌舞伎十八番に入る芝居です。
 この外郎、名古屋銘菓「ういろう」とは違います、実は演中でも触れていますが薬です、演中では何でも効くと語られていますが、外郎陳宗敬という人物が渡来し博多で創製した薬で、本来は痰の妙薬で口臭機能のある薬だそうです。外郎陳宗敬が京へ参内したおりに外郎家と名を改め、その後小田原に伝えられ江戸時代に評判となったそうです。

 と、ここまで書いて何ですが起源とか歴史はどうでもよくて、実はこの外郎売なかなか滑舌の練習には最適で、ほとんどの劇団、役者が練習に使って来ました。その練習方法はいくつかあり普通に読むだけのモノから語りかける様に喋るモノ、何人かで句読点で止まらない様に代わりながら喋るモノとあります。この外郎売は前文と後文に大きく2つに分かれます、前文は外郎の由来や説明をしています、後文は滑舌が良くなった事を実践しています。
 前文で客に丁寧に興味を引く様にしっかりと語り、後文で一気に観客を引き込む様に喋る。この文を最初は間違えない様に噛まない様に丁寧にハッキリ喋りましょう、そのうち少しずつ速さを増して語ってみましょう、きっと後文のどこかで詰まるでしょう何度か繰り返すうちに克服されるでしょう。自分で6分以内、5分以内、4分以内と目標を立て練習しましょう。最初私はこの外郎売を人が練習しているのを聞いてノイローゼになりかかってしまい、それが嫌でずっと避けていました、でも自分が一回も練習して無いのに聞いているだけで少し覚えかかっていました、結局練習する羽目になったのですが、今やってみると4分弱かかりました、しかも途中1、2箇所つまりぎみでした。(まだまだだな〜)
 こんな話より実践あるのみ。下分をコピーしプリントアウトして練習してみましょう。
 (人によって多少読み仮名が違う事がありました、これは私が練習した読み仮名です。)


「外郎売」

拙者親方と申すは、御立合の中に御存知の御方も御座りましょうが、御江戸を立って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今は剃髪致して、円斉と名のりまする。元朝より大晦日まで御手に入れまする此の薬は昔陳の国の唐人、外郎という人、我が朝へ来たり、帝へ参内の折から、此の薬を深く籠め置き、用ゆる時は一粒ずつ、冠のすき間より取り出す。依って其の名を帝より、「透頂香」と賜わる。即ち文字には「頂き、透く、香い」と書いて「とうちんこう」と申す。只今は此の薬、殊の外世上に弘まり、方々に偽看板を出し、イヤ小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは親方円斉ばかり。もしやお立合の内に熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか、又は伊勢御参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。お登りならば右の方、お下りなれば左側、八方が八つ棟、表が三つ棟玉堂造り、破風には菊に桐のとうの御紋を御赦免あって、系図正しき薬でござる。イヤ、最前より家名の自慢ばかり申しても、御存じない方には正身の胡椒の丸呑、白川夜船、さらば一粒食べかけて、その気味合をお目にかけましょう。先ず此の薬をかように一粒舌の上にのせまして、腹内へ納めますると、イヤどうも云えぬわ、胃、心、肺、肝が健やかになりて、薫風咽より来たり、口中微涼を生ずるが如し。魚鳥、茸、麺類の食合せ、其の他、万病速効あること神の如し。さて此の薬、第一の奇妙には、舌のまわることが銭独楽が裸足で逃げる。ひょっと舌がまわり出すと、矢も楯もたまらぬじゃ。そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ、アワヤ咽、サタラナ舌に、カ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重、開合さわやかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、盆まめ、盆米、盆ごぼう、摘蓼、摘豆、摘山椒、書写山の社僧正、粉米のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米のこなまがみ、繻子、ひじゅす、繻子、繻珍、親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、ふる栗の木の古切口。雨合羽か、番合羽か、貴様のきゃはんも皮脚絆、我等がきゃはんも皮脚絆、しっかわ袴のしっぽころびを、三針はりなかにちょと縫うて、ぬうてちょっとぶんだせ、かわら撫子、野石竹。のら如来、のら如来、三のら如来に六のら如来。一寸先のお小仏に、おけつまずきゃるな、細溝にどじょにょろり。京の生鱈奈良なま学鰹、ちょっと四五貫目、お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅で、お茶ちゃっと立ちゃ。来るは来るは何が来る、高野の山のおこけら小僧。狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三ぶぐばぐ、合わせて武具、馬具、六ぶぐばぐ。菊、栗、きく、くり、三菊栗、合わせて菊、栗、六菊栗。麦、ごみ、むぎ、ごみ、三むぎごみ、合わせてむぎ、ごみ、六むぎごみ。あの長押の長薙刀は誰が長薙刀ぞ。向うの胡麻がらは、荏のごまがらか、真ごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻。がらぴい、がらぴい風車、おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師、ゆんべもこぼして、又こぼした。たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ、落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬものは、五徳、鉄きゅう、かな熊童子に、石熊、石持、虎熊、虎きす、中にも東寺の羅生門には、茨木童子がうで栗五合つかんでおむしゃる、かの頼光のひざもと去らず。鮒、きんかん、椎茸、定めてごたんな、そば切り、そうめん、うどんか、愚鈍な小新発知、小棚の、小下の、小桶に、こ味噌が、こ有るぞ、小杓子、こ持って、こすくって、こよこせ。おっと合点だ、心得たんぼ の川崎、神奈川、程ヶ谷、戸塚は、走って行けば、やいとを摺りむく。三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々、相州小田原とうちん香、隠れござらぬ貴賤群衆の花のお江戸の花ういろう、あれ、あの花を見てお心をおやわらぎやという。産子、這子に至るまで、この外郎の御評判、御存じないとは申されまいまいつぶり、角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、臼、杵、すりばち、ばちば ちぐわらぐわらぐわらと、羽目をはずして今日お出のいずれも様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、東方世界の薬の元〆、薬師如来も照覧あれとほほ敬って、ういろうはいらっしゃりませぬか。

「ういろううり」

せっしゃおやかたともうすは、おたちあいのうちにごぞんじのおかたもござりましょうが、おえどをたってにじゅうりかみがた、そうしゅうおだわらいっしきまちをおすぎなされて、あおものちょうをのぼりへおいでなさるれば、らんかんばしとらやとうえもん、ただいまはていはついたして、えんさいとなのりまする。がんちょうよりおおつごもりまでおてにいれまするこのくすりは、むかしちんのくにのとうじん、ういろうというひと、わがちょうへきたり、みかどへさんだいのおりから、このくすりをふかくこめおき、もちゆるときはいちりゅうずつ、かんむりのすきまよりとりいだす。よってそのなをみかどより、「とうちんこう」とたまわる。すなわちには「いただき、すく、におい」とかいて「とうちんこう」ともうす。ただいまはこのくすり、ことのほかせじょうにひろまり、かたがたににせかんばんをだし、いや、おだわらの、はいだわらの、さんだわらの、すみだわらのといろいろにもうせども、ひらがなをもって「ういろう」としるせしはおやかたえんさいばかり。もしやおたちあいのうちにあたみかとうのさわへとうじにおいでなさるるか、またはいせごさんぐうのおりからは、かならずかどちがいなされまするな。おのぼりならばみぎのかた、おくだりなればひだりがわ、はっぽうがやつむね、おもてがみつむねぎょくどうづくり、ほうにはきくにきりのとうのごもんをごしゃめんあって、けいずただしきくすりでござる。いや、さいぜんよりかめいのじまんばかりもうしても、ごぞんじないかたにはしょうしんのこしょうのまるのみ、しらかわよふね、さらばいちりゅうたべかけて、そのきみあいをおめにかけましょう。まずこのくすりをかようにいちりゅうしたのうえにのせまして、ふくないへおさめますると、いや、どうもいえぬわ、い 、しん、はい、かんがすこやかになりて、くんぷうのんどよりきたり、こうちゅうびりょうをしょうずるがごとし。ぎょちょう、きのこ、めんるいのくいあわせ、そのほか、まんびょうそっこうあることかみのごとし。さてこのくすり、だいいちのきみょうには、したのまわることがぜにごまがはだしでにげる。ひょっとしたがまわりだすと、やもたてもたまらぬじゃ。そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ、あわやのんど、さたらなしたに、かげさしおん、はまのふたつはくちびるのけいちょう、かいごうさわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、ひとつへぎへぎに、へぎほしはじかみ、ぼんまめぼんごめぼんごぼう、つみたでつみまめつみざんしょう、しょしゃざんのしゃそうじょう、こごめのなまがみこごめのなまがみこんこごめのこなまがみ、しゅすひじゅすしゅすしゅちん、おやもかへいこもかへいおやかへいこかへいこかへいおやかへい、ふるくりのきのふるきりくち。あまがっぱかばんがっぱか、きさまのきゃはんもかわぎゃはん、われらがきゃはんもかわぎゃはん、しっかわばかまのしっぽころびを、みはりはりなかにちょとぬうて、ぬうてちょとぶんだせ、かわらなでしこ、のぜきちく。のらにょらい、のらにょらい、みのらにょらいにむのらにょらい。ちょっとさきのおこぼとけに、おけつまずきゃるな、ほそどぶにどじょにょろり。きょうのなまだらならなままながつお、ちょっとしごかんめ、おちゃたちょ、ちゃたちょ、ちゃっとたちょちゃたちょ、あおたけちゃせんで、おちゃちゃっとたちゃ。くるはくるはなにがくる、こうやのやまのおこけらこぞう。たぬきひゃっぴきはしひゃくぜん、てんもくひゃっぱいぼうはっぴゃっぽん。ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐ、あわせてぶぐばぐむぶぐばぐ。きくくりきくくりみきくくり、あわせてきくくりむきくくり。むぎごみむぎごみみむぎごみ、あわせてむぎごみむむぎごみ。あのなげしのながなぎなたはたがながなぎなたぞ。むこうのごまがらは、えのごまがらか、まごまがらか、あれこそほんのまごまがら。がらぴいがらぴいかざぐるま、おきゃがれこぼし、おきゃがれこぼうし、ゆんべもこぼして、またこぼした。たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽいっちょうだこ、おちたらにてくお、にてもやいてもくわれぬものは、ごとく、てっきゅう、かなくまどうじに、いしくま、いしもち、とらくま、とらきす、なかにもとうじのらしょうもんには、いばらきどうじがうでくりごごうつかんでおむしゃる、かのらいこうのひざもとさらず。ふな、きんかん、しいたけ、さだめてごたんな、そばきり、そうめん、うどんか、ぐどんなこしんぼち、こだなの、こしたの、こおけに、こみそが 、こあるぞ、こしゃくし、こもって、こすくって、こよこせ。おっとがてんだ、こころえたんぼのかわさき、かながわ、ほどがや、とづかは、はしっていけば、やいとをすりむく。さんりばかりか、ふじさわ、ひらつか、おおいそがしや、こいそのしゅくをななつおきして、そうてんそうそう、そうしゅうおだわらとうちんこう、かくれござらぬきせんぐんじゅのはなのおえどのはなういろう、あれ、あのはなをみておこころをおやわらぎやという。うぶこ、はうこにいたるるまで、このういろうのごひょうばん、ごぞんじないとはもうされまいまいつぶり、つのだせぼうだせぼうぼうまゆに、うすきぬすりばち、ばちばちがらがらがらと、はめをはずしてこんにちおいでのいずれもさまに、あげねばならぬ、うらねばならぬと、いきせいひっぱり、とうほうせかいのくすりのもとじめ、やくしにょらいもしょうらんあれとほほうやまって、ういろうはいらっしゃりませぬか。